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歯根端切除術は、
根管治療で予後不良の場合に行う外科手術のことです
歯根端切除術とは
歯根端切除術とは、精密根管治療における外科的処置(歯内療法外科)の一つです。根管治療終了後に、一定の期間経過観察を行っても治癒の傾向が見られない場合に、続きの処置として、歯内療法外科を適応するケースがあります。歯根端切除術などの歯内療法外科は、根尖と病変を摘出することで、予後不良の根尖性歯周炎を治癒に導くことができる処置です。
根管治療で予後不良の症例がでてしまう理由
①根尖3mm部分には側枝といわれる毛細血管が発達しており、この部分を根管治療のみで完全に無菌化することは不可能であるため
(参考文献:Modern Endodontic Surgery Concepts and Practice A Review JOE July 2006 Syngcuk Kim, DDS, PhD,MD & Samuel Kratcbman, DMD)
②根尖孔の外に感染が広がり、根管内からのアプローチが困難な場合があるため
他にも、症例によって異なった原因が考えられます。
①の理由により、歯根端切除術などの歯内療法外科で根尖3mmを除去することで、細菌の数を著しく低下させ、根尖性歯周炎を治癒させることが可能になります。
しかし、根尖を切除するだけでは細菌を完全には除去しきれない場合があり、細菌が根尖の外に漏れ出ないように切除部位を緊密に封鎖する必要があります。封鎖性が高い材料であるバイオセラミックマテリアル(MTAなど)を充填し細菌を閉じ込めることで、歯根端切除術の成功率は飛躍的に高くなります。
歯内療法外科には、歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)と、意図的再植術があり、頭蓋骨の解剖学的な形態や症例によってどちらを行うかを選択する必要があります。
従来の歯根端切除術では歯根を切るのみの処置をしたり、切除した部分にアマルガム合金(水銀と他の金属を混ぜ合わせたもの)を直接充填したりしていました。しかし封鎖性の悪いアマルガム合金では、切断部位を緊密に封鎖できないため、細菌漏洩を防げず予後不良になる症例が多く見られました。従来の歯根端切除術の成功率は20%~60%と大きく開きがあり、予後も不安定でした。
しかし、現代の歯根端切除術は、超音波チップの開発とバイオセラミックマテリアル(MTAセメントなど)の研究により、飛躍的な成功率の向上が確認されています。超音波チップは、根尖3mmを切断した際に根管内を垂直的に追従することを可能にしました。 MTAセメントは切断部位の充填後に膨張する性質を持っているため、封鎖性が高く物理的に隙間が生じにくい材料です。
現代の歯根端切除術は、顕微鏡下で行うことで従来の術式よりも、より確実に根尖性歯周炎を治癒に向かわせることができるようになりました。レビュー文献によれば現代の歯根端切除術の成功率は90%以上であり、ほとんどの歯牙の治癒が可能であると考えられます。
しかしながら、顕微鏡下でのコンセプトに沿った外科手術(歯根端切除術など)は、非常に高い技術が求められるので、テクニックを習得するには専門の知識を学び、設備の整った環境で訓練する必要があります。
歯根端切除術については、下記のページもご参照ください。
目白マリア歯科|精密根管治療|歯根端切除術
歯根端切除術が必要になるとき
歯根端切除術が必要になるパターン
①精密根管治療後、予後不良が確認された場合
②高い精度の被せ物を装着済みで、被せ物の交換を必要としない場合
診査診断での状況
「Molven O」の治癒形態の評価によると、治癒は4つの形態に分かれます。
・完全な治癒
・不完全な治癒(瘢痕組織)
・不確実な治癒
・失敗
根管治療の予後不良とは、症状(フィステル・瘻孔や痛み)が改善されない場合で、「Molven O」の治癒形態評価の「失敗」にあたります。
また、症状(フィステル・瘻孔や痛み)に改善があるものの、レントゲン上では大きく変化が見られないなど治癒が疑われる際は「不完全な治癒(瘢痕組織)」「不確実な治癒」にあたります。
(参考文献:Incomplete Healing (Scar Tissue) after Periapical Surgery-Radiographic Findings 8 to 12 Years after Treatment Molven OJ Endod 1996)
この場合、長期の経過観察により歯根端切除術を行うかどうかを見極める必要があります。
一度感染してしまった根管を精密根管治療で治療したとしても、根尖3mmは神経や血管が入り組んだ複雑な形態のため、細菌数をゼロにすることは不可能と考えられています。そのためどんなに優れた専門医が治療を行っても、ある一定数は再発リスクがあります。
そういったケースでは、根管治療を繰り返しても良い結果は見込めないため、歯根端切除術を用いて治癒を目指します。
歯根端切除術の成功率
従来の歯根端切除術は、マイクロスコープも使わずMTAセメントなどもなかったため、治療の成功率は20~60%程度でした。
現代の歯根端切除術では、マイクロスコープの採用やその他器具や材料の発展によって、成功率は90~95%程度まで高められています。
歯根端切除術において大切なこと
歯根端切除術の原理は単純で、根尖3mmを切除してバイオセラミックマテリアルで封鎖をするということですが、決して簡単な手術ではありません。
歯根端切除術は、歯牙の部位・唇の固さ・体格により難易度が大きく異なります。そのため、術前の診査(CT・歯周組織検査)で可能な限り的確に解剖学的形態を理解し、手術前に今までの経験をもとにシミュレーションをすることができるか、が重要だと考えます。そのため、多くの経験や知識が必要となります。
目白マリア歯科の歯根端切除術をご希望の方へ
他院で根管治療を受けられている場合は、どのような根管治療を施されているか確認できないため、基本的にはまず当院の精密根管治療を受けていただいております。
治療後に経過観察行い、24か月以内に「予後不良」が確認された場合に歯根端切除術を行います。
精密根管治療を行った歯に対して歯根端切除術を施すため、高い確率で治癒に導くことが可能です。
(詳細はカウンセリングにてお伝えします。)
1.カウンセリング予約
WEB予約フォームもしくはお電話にて「精密根管治療初回カウンセリング」をご予約ください。
03-6908-2923 受付時間 診療日の10:00~18:00
※13時~14時の間を除く
2.初回カウンセリング(約45分 ¥11,000(税込))
レントゲンによる診査を行い、根尖周囲組織の状態に関する診断を行い、治療内容や治療費用についてお話しいたします。必要に応じてCT撮影も行います。(カウンセリング料に含まれます)
3.精密根管治療(1回あたり約90分)
すべての治療は 局所麻酔を行ったうえで治療に入ります。なお、ほぼ全ての根管治療は2回で終了します。
※症例(穿孔など)によっては3回目の治療が必要になる場合もあります。
4.経過観察
治療終了後、1~3ヶ月ほどして経過観察を行います。治療後最低2年間経過観察を続け、治療終了から2年以内に再発が確認された場合には、歯内療法外科(歯根端切除術・意図的再植術)を行います。(前歯1本 ¥55,000(税込)、臼歯¥77,000(税込))
5.歯根端切除術(1回あたり約120分)
根管治療の予後不良が認められた場合に歯根端切除術を行います。
顕微鏡下でのコンセプトに沿った外科手術で、根尖の一部と病変を摘出します。
根管内を洗浄し、適切な材料で逆根管充填します。
6.歯根端切除術後の経過観察
3日後以降に抜糸を行い、2週間を目安に歯肉の状態をチェックします。そして、3ヶ月後にレントゲンにて病気の縮小を確認します。症状の消失等などを確認後、経過観察期間に移行します(2年間)。
歯根端切除術の症例
根管治療だけでは治癒に至らない歯を歯根端切除術で保存
前歯
主訴 | 既に入れてある補綴(被せもの)を新しいものに変える予定があり、かかりつけ医より当院に「精密根管治療(歯内療法)のみお願いしたい」と依頼 |
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治療内容 | 再根管治療・歯根端切除術|精密根管治療 |
治療期間 | 2ヶ月 |
治療費用 | 693,000円(税込)精密根管治療4本|歯根端切除術3本 |
リスク・副作用 | ・精密根管治療(カウンセリングを含む)、歯根端切除術は自由診療です。 ・治療計画は口腔内、歯牙の状況により変更する場合があります。 ・インプラントを含む外科的処置にて下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。 ・当院の補綴処置の保証期間は5年間です。ただし、3ヶ月〜6ヶ月の定期メインテナンスや検診に来院されていない場合は適用されません。 |
歯根端切除術により抜歯を覚悟していた歯の保存に成功
臼歯
主訴 | 2年以上他院にて根管治療で通院されていた患者様。長期間通院したにもかかわらず症状は改善されず抜歯の宣告を受ける。 |
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治療内容 | 再根管治療・歯根端切除術|精密根管治療 |
治療期間 | 1ヶ月(精密根管治療後2週間後に外科処置を行った) |
治療費用 | 77,000円(税込 当院にて精密根管治療後2年内) |
リスク・副作用 | ・下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。 ・術中に予期せぬ歯根破折が確認された場合、処置は中止させていただくことがあります。 |
歯根端切除術(意図的再植術)により、病変の大きい根尖性歯周炎の抜歯を回避
意図的再植
主訴 | 左上7番(第2大臼歯)の歯ぐきから膿が出ている |
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治療内容 | 再根管治療・歯根端切除術(意図的再植術)|精密根管治療 |
治療期間 | 3ヶ月 |
治療費用 | 253,000円(税込) |
リスク・副作用 | ・精密根管治療、歯内療法外科治療はすべて自由診療です。 ・根管治療終了後には術後性疼痛が発生する場合があります。 ・意図的再植術は術中の歯牙破折により、手術を中止する場合があります。 |