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生活歯髄切断法は、歯の神経を残すために行う治療です
生活歯髄切断法とは
生活歯髄切断法(せいかつしずいせつだんほう)とは、歯の神経(歯髄)を残すために行う歯科治療です。
しかし、すべての症例で神経(歯髄)が残せるわけではなく、比較的初期段階の歯髄炎であれば、神経を保存できる可能性があります。
大きい虫歯を処置する際に、神経を取らなければいけない可能性は高いかもしれません。しかしこの段階で歯髄の炎症反応や細菌感染が限局的であれば、生活歯髄切断法を適用することによって、神経の一部分を除去するのみで、根管の神経は保存することができる場合があります。
歯髄というのは、些細な感染で炎症を起こす組織です。
虫歯と歯髄の炎症反応についての研究では、虫歯から歯髄の距離が1.1mm以上の場合は、歯髄への炎症反応はほとんど見られず、さらに虫歯が進行し、虫歯と歯髄の距離が0.5mm以下になった場合、歯髄に炎症反応が起こるとされています。(参考文献:Oral Surg Oral Med Oral Pathol 1966)
つまり、細菌が歯髄に直接触れなくとも(露髄していなくても)、歯髄炎は起こりえます。
虫歯の処置を行った際に神経に達することなく(露髄することなく)、虫歯を除去できた場合は、歯髄炎は治癒に向かい、歯髄は自身の歯により無菌な状態が保てるため、健康な状態を維持することができるようになります。(間接覆髄法)
一方で、虫歯の処置を行った際に神経に達してしまった場合(露髄した場合)は、虫歯を除去しきったとしても、新たなる細菌が口腔内から侵入してくるため、再度歯髄炎に罹患することになります。そのため、露髄してしまった場合は、神経を完璧に封鎖することが求められます。現在では、バイオセラミックマテリアル(MTA)を用いて歯髄への細菌の侵入を完璧に遮断することが可能になり、より成功率を高めることができるようになりました。(部分断髄法もしくは断髄法)
なお、虫歯を除去中に露髄を起こすか起こさないかを、術前にレントゲンなどで判断することは臨床上不可能なため、ある程度の大きさの虫歯の処置には、あらかじめ無菌的な処置と完璧な封鎖が行える環境下で、治療を行うことが理想的と考えられます。
生活歯髄切断法が適応される場合
患者様の症状から
歯の神経は、C繊維という神経組織しかなく、それは痛みのみを伝える神経組織であるため、患者様が感じるすべての痛みは同じ痛みとして認識されます。
歯髄に炎症があるかないか、それが可逆性なのか不可逆性なのか(一時的なものか、そうでないか)というのは、歯髄の組織を取って顕微鏡で見ることでしか確認することはできません。
つまり、歯科医院などの臨床の現場では、たとえば痛みを訴える患者様に対して、歯髄に対する診断を100%正しく行うことは不可能です。そのため、歯髄炎の診査診断は、非常に困難であることが多いのです。
炎症が強い歯髄は、冷たいものや温かいものに対する刺激や、歯をたたいた時の刺激に対して痛みを覚えるかどうか、レントゲン画像から虫歯の存在が確認できるかなど、あらゆる角度で診査を行い、総合的な見解を評価することで診断を行わなければなりません。
しかしながら、それでも100%の診断が行えないために、最終的には顕微鏡(マイクロスコープ)で歯の状態や歯髄を直接見て、健康な歯髄なのか病的な歯髄なのかを確認した上で、生活歯髄保存療法が適応できるかどうかを歯科医師が判断することになります。
同じ「しみる」症状でも違う病気?
歯髄炎と知覚過敏は、患者さんではなかなか判断がつくものではありません。それぞれの違いは、しみる時間を測ることで見極められる場合があります。知覚過敏は3~5秒ほど、、歯髄炎は10秒以上しみる(持続的な鈍痛)ので、微妙に感じ方が異なります。あくまでも目安のお話ですので、しみる症状が治らず、少しでも不安を感じられるときには、早めにご相談ください。
診査診断での状況
歯髄炎になってから比較的早い段階での診査により、生活歯髄切断法が選択肢に入ってくる場合があります。ただし、生活歯髄切断法は、歯髄の保存に失敗すると、以後の根管治療が難しくなることもあるなど、治療に対するデメリットもご理解の上で選択するべき治療と考えます。
歯科治療においては、どのような治療を選択したとしても、常にメリット・デメリットがあります。目白マリア歯科では、それを明確に説明させていただき、患者様に治療を選んでいただくことを大切にしております。
生活歯髄切断法において大切なこと
生活歯髄切断法では、虫歯を除去する際に露髄するかしないかは、治療をしてみないと分からないこと、また、炎症反応や細菌感染を起こしている歯髄を除去する際には、無菌的な状態と完全に封鎖を行える環境が重要です。
そのために大切になるものは以下のとおりです。
- 適切な診査診断を行える十分な時間
- 適切な判断と繊細な治療を行うための顕微鏡(マイクロスコープ)
- 無菌的な処置のためのラバーダムの使用
- 完全に封鎖を行えるバイオセラミックマテリアル(MTA)
目白マリア歯科では必要な診査診断を45分~1時間のカウンセリングの時間で行います。
その際に、治療に対するメリット・デメリット、その他の治療の選択肢などもご提案させていただきます。患者様にはカウンセリングで治療の内容を正しくご理解いただいた上で、ご希望の治療を選択していただいております。
目白マリア歯科における生活歯髄切断法の流れ
1. カウンセリング予約
WEB予約フォームもしくはお電話にて「精密根管治療初回カウンセリング」をご予約ください。
03-6908-2923 受付時間 診療日の10:00~18:00
※13時~14時の間を除く
2. 初回カウンセリング(約45分 ¥11,000(税込))
レントゲンによる診断を行い、病状の説明と治療内容、治療費用についてお話しさせていただきます。診断結果によってはCT撮影も行います。(カウンセリング料に含まれます)
3. 治療(1回あたり約90分)
生活歯髄切断法は、深い浸潤麻酔を行った上でラバーダム下にて、虫歯を除去します。露髄が確認された場合は、部分的に歯髄を除去し、バイオセラミックマテリアル(MTA)により完全な封鎖を行います。
4. 経過観察
治療終了後、1~3ヶ月後に経過観察を行い、歯髄の生活反応を確認します。予後良好の場合は、最終補綴物に移行していきます。24ヶ月以内に予後不良が確認された場合には、迅速に対応しますので何かあればいつでもご連絡ください。
生活歯髄切断法の症例
生活歯髄切断法を用いて歯髄保存した症例−歯の神経を保存できる虫歯処置−
主訴 | 夜になるとズキズキ痛みが出る |
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治療内容 | 生活歯髄切断法|精密根管治療 |
治療期間 | 1週間 |
治療費用 | 77,000円(税込) |
リスク・副作用 | ・MTAを使用した生活歯髄切断法は自費治療になります。 ・予後不良と判断した場合は歯内療法が必要になる場合があります。 ・術後、一時的に歯髄炎が悪化する場合があります。 |