【症例】根管治療後も症状の改善が認められないケース・歯根端切除術(意図的再植術)を施し治癒へ
- 投稿日:2020.10.30
- カテゴリー:歯根端切除術
治療概要
治療内容 | 抜髄(初回根管治療)・歯根端切除術(意図的再植術)|精密根管治療 | 期間 | 1日(他、抜糸、術後3ヶ月後、1年後の経過観察等を除く) |
---|---|---|---|
治療回数 | 1回(他、抜糸、術後3ヶ月後、1年後の経過観察等を除く) | 費用 | 55,000円(税込)※当院にて精密根管治療後2年以内 ※処置当時の料金 |
治療前の状態・主訴
数年前より左下に痛みを感じていながら、治療に強い恐怖心があるため歯科医院に来院することができなかった患者様です。
左下7番の診断は歯髄壊死が起因して起こる根尖性歯周炎であったため、まず左下7番に対して根管治療を行うことが必要でした。
しかし、当院で精密根管治療を施しましたが完全な疼痛の除去は行えませんでした。
治療詳細
根管の形態は非常に複雑で、根管の内部を完全に無菌化することは現在のいかなる歯科治療でも不可能です。これを歯内療法では「根管治療の限界」と言います。
その場合、もう一度根管治療を行っても根管内の細菌を無菌化できるわけではなく、更に歯質を大きく削ることになるため、外科的歯内療法(歯根端切除術)にて問題を解決します。
今回のような最後方臼歯(一番後ろの歯)に対しては、解剖学的に骨の厚みや器具の到達を考え、意図的再植術を適応させることになります。
治療後の様子
違和感や痛みは術後1ヶ月程で消失し、3ヶ月後には術直後に見られていた左下7番根尖部に確認できた透過像も消失し、順調に骨が作られていることが確認できます。
今後、最終補綴に移行し、1年後の経過観察を行う予定です。
主な副作用・リスク
・歯根端切除術により、歯の動揺、歯根破折が生じる場合があります。
・下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。
・歯根の状態(骨癒着)などによっては、手術を中止する場合があります。
<歯科医療での「根管治療の限界」に対し、適切な外科的歯内療法を行い患者様の歯を保存>
精密根管治療を施しても、統計学的に一定の確率で根尖性歯周炎が治癒に至らない場合があります。しかし、疼痛がなくなるまで根管治療を繰り返し行ったり、長い期間治療を行ったりすると、過剰に歯質を切削することになったり、治療と治療の間に感染を起こすリスクが高くなることから、状況が更に悪化することがあります。
そのため、当院の考えでは、プロトコール通りの治療を行った結果、予後不良になった場合は、外科的歯内療法で根尖性歯周炎を治癒に導きます。
外科的歯内療法は偶発的に歯根破折や麻痺などを起こす可能性もあることから、術前の診査と術者の経験が予後を左右します。
目白マリア歯科では、ご自身の歯を残し生活していただくために、経験を積んだ根管治療(歯内療法)専門の歯科医師による治療を、適切な環境を整えてお一人おひとりに適した治療のご提案と、確かな技術の治療をご提供しています。
今の治療に不安がある方も、まずは専門の歯科医師によるご相談、診査・診断を行う「精密根管治療専用のカウンセリング」をご検討ください。
下記のページもご参照ください。
専門性の高い歯科医療が、すぐそばに。
目白マリア歯科(Mejiro Maria Dental Clinic)
〒161-0033 東京都新宿区下落合3-16-13 グランドール目白1F
tel:03-6908-2923
バリアフリー マイクロスコープ・歯科用CTなど先端医療機器完備 精密根管治療 怖くない、痛くない歯科治療 世界基準の滅菌レベル
宮澤 仁Miyazawa Jin院長紹介ページはこちら
専門分野
- ・根管治療
所属
- ・アメリカ歯内療法学会
- ・日本歯内療法学会
カテゴリー