【症例】穿孔修復・パーフォレーションリペア|他院での偶発トラブルに対応したケース
- 投稿日:2020.07.21
- カテゴリー:再根管治療
治療概要
治療内容 | 再根管治療|精密根管治療 | 期間 | 1週間 |
---|---|---|---|
治療回数 | 2回 | 費用 | 154,000円(税込 穿孔修復代も含む) ※処置当時の料金 |
治療前の状態・主訴
左下の歯の痛みを訴え他院にて治療後、左下7番の歯肉(歯ぐき)が大きく腫れてしまったことを主訴に来院されました。
当院での初診時の検査でレントゲンを確認すると、歯冠(歯肉の上に出ている歯の部分)に人工的な透過像が確認でき、前医での治療の際に、偶発的に歯に穴(穿孔・パーフォレーション)が開けられてしまったことが予想できました。また、歯肉(歯ぐき)が大きく腫れあがり、限局的な歯周ポケットが確認される上に、穴のあいている部分と歯周ポケットが交通している可能性も考えられるなど、状況は複雑化していました。
治療詳細
顕微鏡下で根管内を確認すると、レントゲン透過像通りに穴があいていること(穿孔)が確認され、実際の根管は治療が手つかずのままでした。
今回は根管形態が複雑ではなかったため、初回で根管内をすべて洗浄後、根管充填と穿孔修復(パーフォレーションリペア)を行い、2回目の治療にて、歯の土台を作る支台築造処置を終了させました。
治療後の様子
根管治療終了1ヶ月後に経過観察を行い、術前に確認されていた限局的な歯周ポケットは正常範囲まで回復したのを確認しました。2ヶ月後にはレントゲンにて歯の根の先に見られた黒い透過像の縮小も確認できたため、仮歯を作製し、問題がなければ最終補綴に移行する予定です。
今後は1年に1回の経過観察を最低2年間行い、根尖周囲組織(歯の根の先)の治癒を確認していきます。
主な副作用・リスク
・精密根管治療はすべて自費の治療になります。
・根管治療終了後には術後性疼痛がある場合があります。
・根管治療が予後不良の場合は歯根端切除術を行う必要があります。
<トラブル防止には、術前の十分な診査や治療の準備が不可欠。治療のルールを守り、材料を適材適所に使用することが大切です>
今回は、他院での治療中に起こった偶発的なトラブルに、当院で対応した症例を掲載させていただきました。歯科治療では時に歯科医師の意図しないトラブルが起こる場合があります。例えば歯の生えている方向を見誤ると、今回のように違った方向へ切削、穿孔してしまうことがあります。これは、歯科医師の経験の多寡にもよりますが、術前の十分な診査や治療への準備ができていないことが原因です。
今回の患者様は、左下の歯の痛みを訴え他院を受診しましたが、治療直後から痛みがひどくなったことで当院に来院されました。当院での診査時には、歯ぐきの腫脹、ならびに歯の一部分に限局的な歯周病ポケットが確認され、歯内歯周病変(※)にも罹患していました。さらに、穿孔(パーフォレーション・歯に穴があいてしまっている状態)の可能性があることから、状況が複雑化(コンプロマイズド)しており、適切な順番で処置を行うことが重要でした。
※歯内歯周病変の症例:「歯根破折を疑わせる症例(治療チャレンジにより抜歯を回避)
現在は、MTAと言われる材料(歯科用コンクリート)の開発により、穿孔(パーフォレーション)の修復(リペア・穴を埋める作業)は難しいことではなくなりました。しかしながら、前提としてあるのは“治療のルールを守り、材料を適材適所に使用すること”です。ただ材料を使えば治るというものではなく、十分な診査・診断を行い、適切な処置を施すことで歯を残す(保存する)ことができるのです。
目白マリア歯科では、丁寧なカウンセリングと診査・診断で、より適切な治療を心がけています。 セカンドオピニオンも可能ですので、気になる症状がある場合は一度ご相談ください。
下記のページもご参照ください。
● 目白マリア歯科|診療メニュー|根管治療・歯内療法
● 目白マリア歯科|精密根管治療(マイクロエンド)
専門性の高い歯科医療が、すぐそばに。
目白マリア歯科(Mejiro Maria Dental Clinic)
〒161-0033 東京都新宿区下落合3-16-13 グランドール目白1F
tel:03-6908-2923
バリアフリー マイクロスコープ・歯科用CTなど先端医療機器完備 精密根管治療 怖くない、痛くない歯科治療 世界基準の滅菌レベル
宮澤 仁Miyazawa Jin院長紹介ページはこちら
専門分野
- ・根管治療
所属
- ・アメリカ歯内療法学会
- ・日本歯内療法学会
カテゴリー