【症例】歯性上顎洞炎(副鼻腔炎)を併発した根尖性歯周炎を、精密根管治療で治癒
- 投稿日:2021.09.20
- カテゴリー:再根管治療
治療概要
治療内容 | 再根管治療|精密根管治療 | 期間 | 2回 ※経過観察は含まない |
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治療回数 | 精密根管治療2回 | 費用 | 203,500円(税込) ※支台築造処置を含む ※処置当時の料金 |
治療前の状態・主訴
患者様は1年前に、右上4番の歯に違和感を覚え、近隣の歯科医院にて初めての根管治療(抜髄処置)を行うも、症状が改善されませんでした。その後、他の歯科医院に相談するも、症状の原因となる歯の特定には至ることができず、目白マリア歯科を受診されました。
患者様によると、1年前に感じた症状は「階段を降りるときに、鋭い歯痛を感じた」とのことで、当時から上顎洞炎(副鼻腔炎)であったことが疑われました。上顎洞炎の場合、時に小臼歯部に、神経を突くような鋭い痛みを覚えることがあります。また、頭痛や頭部を下げるような動作に対する眼下の違和感などが主な症状です。
患者様ご自身は、1年前に根管治療を行った右上4番の歯の予後不良を疑っていました。しかし当院の診査にて、患者様の訴える症状の原因は、数年前に根管治療を行った右上6番の歯の予後不良による根尖性歯周炎と診断しました。
治療詳細
治療のコンセプトに沿って精密根管治療を2回で終了させ、暫間冠(仮歯)にて3ヶ月間の経過観察を行いました。3ヶ月後には症状は完全に消失、セラミック冠を装着して今後2年間の経過観察を行うこととしました。
治療後の様子
精密根管治療から1年後の経過観察にて、患者様が初診時に訴えていた症状が消失していることを確認しました。
上顎洞炎は、歯性上顎洞炎と鼻性上顎洞炎が併発している場合もあります。上顎洞炎が残存する部分に関しては、耳鼻科にて追加で処置を施していただく必要があるため、再度CT撮影を行い、上顎洞炎の有無を確認しました。
その結果、術前に見られた上顎洞に広がる不透過像(グレーの部分※膿)はほぼ消失していることが確認でき、予後は良好であると判断しました。
主な副作用・リスク
・精密根管治療(カウンセリングを含む)は自由診療です。
・治療計画は、口腔内や歯牙の状況により変更する場合があります。
・インプラントを含む外科的処置にて下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。
・当院の補綴処置の保証期間は5年間ですが、3ヶ月〜6ヶ月の定期的なメインテナンス、定期検診に来院されていない場合は適用されません。
<目白マリア歯科では根尖性歯周炎を高い確率で治癒。上顎洞炎(副鼻腔炎)も適切に診断>
今回の症例は、1年前に右上4番の歯に初回根管治療(抜髄処置)が行われ、その後も違和感や鋭い痛みといった症状が改善されない、というケースでした。1年前の状態が不明なことから断言はできませんが、右上4番の歯の初回根管治療(抜髄処置)は行わなくとも、右上6番の歯に精度の高い根管治療を施していれば、右上4番の歯の神経は温存できた可能性があると考えられます。
精密根管治療(目白マリア歯科の歯内療法)では、根尖性歯周炎を90%〜97%以上の確率で治癒させることが可能です(2019年7月~2021年8月当院データより)。今回のように上顎洞炎と併発している症例でも、歯性の上顎洞炎なのか、耳鼻科由来の上顎洞炎なのかを判別することができます。
目白マリア歯科では、患者様お一人おひとりのために十分な時間と設備を準備し、診査を行うことで、より精密な診断ができる環境を整えております。歯の根の治療(歯の神経の治療、根管治療)で「処置がうまく進んでいないのでは」「治療内容に不安がある」などのお悩みがある場合は、お気軽に目白マリア歯科の「精密根管治療カウンセリング」を受診していただければと思います。
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宮澤 仁Miyazawa Jin院長紹介ページはこちら
専門分野
- ・根管治療
所属
- ・アメリカ歯内療法学会
- ・日本歯内療法学会
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