【症例】再根管治療| CT、マイクロスコープを使った精密根管治療
- 投稿日:2019.12.14
- カテゴリー:再根管治療
治療概要
治療内容 | 再根管治療|精密根管治療 | 期間 | 1週間 |
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治療回数 | 2回 | 費用 | 154,000円(税込) ※処置当時の料金 |
治療前の状態・主訴
数週間前より右上がうずく感じがすることを主訴に来院された患者様です。近隣の歯科医院でも相談はしたが、特に問題がないと言い渡され、症状が気になり当院を受診されました。
右上7番には臨床症状(叩くことでの痛み)が確認できるものの、レントゲン上には根尖性歯周炎と判断できる透過像(病変の影)は確認できませんでした。歯科用CTを撮影してみると、近心根と遠心根に明らかな病変を認めました(歯科用CT画像1赤丸)。他の臨床症状と歯科用CT画像から右上7番の根尖性歯周炎と診断しました。
また、同時に近心根には見逃している根管もしくはフィンと言われる極小なスペース(CT画像2赤丸)が存在することも確認できます。
治療詳細
治療中に歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)下にてCT画像で確認した部位には手つかずの根管を確認し、処置を行った。
治療後の様子
治療回数は2回で終了しています。2回目の治療終了時には初診時で患者様が訴えていた違和感は改善され、次週、問題なければ仮歯の製作に移行する予定。
また、3ヶ月後には経過観察を行い根管治療の予後を確認する予定。
主な副作用・リスク
・精密根管治療はすべて自費の治療になります。
・根管治療終了後には術後性疼痛がある場合があります。
・根管治療が予後不良の場合は歯根端切除術または意図的再植術を行う必要があります。
・最低2年間(年1回程)の経過観察を行う必要があります。
通常のレントゲン撮影では発見が困難な根尖部の病変や手つかずの根管(歯の根の)を確認。正確な診断が可能となる歯科用CTや歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は、治療の成功のための有用な機材です
今回は通常のレントゲン撮影では読影することが困難な症例を紹介させていただきました。
通常、歯の根の治療(歯の神経の治療)の専門医は、複数枚のレントゲン写真を撮影し、病変や根管の解剖学的形態を把握し、診断を行います。しかしながら、特に臼歯部(奥歯)の診断時にレントゲン画像だけでは骨の厚みにより診断が難しい場合があります。歯科用CT画像の発展により病変が根尖部に確認できるかできないかをより正確に診査することが可能になったことで、治療の際のリスクを(予後を含め)より正確に患者様にご説明させていただくことが可能になります。
また、今回はCT画像上で手つかずの根管を確認できましたが、上顎臼歯部(上の奥歯)はMB2という解剖学的に発見が難しい根管が約90%の確率で存在し、その形態は様々です。歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)が開発される前までMB2の発見率は約60%という報告が主でした。つまり、この30%の発見率の上昇が顕微鏡(マイクロスコープ)による根管治療の精度だとも考えられます。
しかしながら、MB2は歯質の薄いところに存在するため場所を見誤ると偶発的に穿孔を起こしやすく、無駄な歯質を削合し歯の寿命を縮める原因となることもあります。マイクロスコープの一つひとつの手技は適切なトレーニングと歯牙の解剖学的な形態の熟知が必要になります。
再根管治療では虫歯や感染が広がってることも多く、歯牙を削ることもやむを得ない場合がありますが、歯質を削ることは歯牙の寿命を縮めることに繋がります。
その2つの天秤を見誤ると予後不良もしくは、歯質の過切削につながります。すべての処置にはバランスを考える必要があります。
こうしたバランスを考慮するには術者の知識や技術が大前提で大きく関係しますが、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は術野を可視化させ治療の精度を飛躍的に上げてくれる機材であります。
今回はMB2の発見から洗浄までを動画に収めさせていただきました。ご参照いただければ幸いです。
目白マリア歯科では専門医の知識と技術をご希望される全ての患者様へ精密根管治療を御提供しています。根管治療でのトラブルやお悩みがある場合は一度ご相談していただければと思います。
当院では「精密根管治療 初回カウンセリング」を行っています。診査、診断から専門家としての見解をしっかりお伝えし、患者様のお考えを尊重して最良の治療を進めてまいります。
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宮澤 仁Miyazawa Jin院長紹介ページはこちら
専門分野
- ・根管治療
所属
- ・アメリカ歯内療法学会
- ・日本歯内療法学会
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